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エグゾフレームの入手方法

異星人が、この機体の対価に要求しているのは、石灰岩(報告から類推して、彼らは炭酸カルシウムの含有率51%以上の堆積岩と規定しているらしい)1,000キログラムであり、彼らが「国家、民族、思想、その他あらゆる差違について我々は区別せず、すべての地球人に平等に均等にこの交換条件を提案いたします」と述べた通り、現在、地球上のあらゆる場所でこの物々交換が行われている。屋外に石灰岩を据え置けば(1,000キログラムの誤差±500g)、およそ地球上のどこにでも異星人の飛行物体が現れ、石灰岩を回収するとともにエグゾフレームを残して行く。先日も、南極のアルゼンチン・エスペランサ基地が異星人との「交易」に成功したとの報告がもたらされた。
注1:彼らは現在もみずからの固有名さえ明らかにしていないため、便宜上ペドラー(行商人)と呼ばれているが、公式にはExtra-Terrestrial Traderとすべきという意見もある。
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エグゾフレームの動力

動力に関してはほとんど解明出来ていない。異星人の母船からワイヤレス電力送電されている説やエグゾフレーム内の液体に長時間可動できる化学エネルギーが備蓄されている説もある。
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エグゾフレームの起動

エグゾフレームは、各関節を折りたたんだ、箱型の待機状態をとっている。この状態を我々はパッケージ・モードと呼んでいる。操縦者がエグゾフレームの機体表面に触れると、機体の網の目状の部分が発光するとともに、背部のジャイロが回転。周囲の状況、搭載された貨物の量や状態などを自動で判断しながら人型となり、搭乗が可能になる。(搭乗や操作を行わなければ、30秒ほどで再び待機状態に戻る)
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エグゾフレームの操作

エグゾフレームの操作系は、機体自体が人間の意識を読み取って動くとしか言えない。当初はブレイン・マシン・インターフェースのように人間の生理的な反応を感知していると思われたが、機体が何を読み取っているのかは一切不明である。機体の操縦は、座席(我々は「サドル」と呼んでいる)で行う。搭乗者は、スイッチやレバーなどの物理的操作を一切行うことなしに、ただ「思考する」だけで、機体をもうひとつの自分の身体のように操縦可能である。ただし、「思考する」と言っても、それすら一定な法則があるわけでもないらしい。高次脳機能障害の患者が操縦した事例もある。
ある程度、操縦に修練すると、人型以外の体勢を取らせることも可能であり、小型の車輌等として運用することもできる。
サドルは座った操縦者に吸着し、あらゆる衝撃を減衰させる機能を有する。一方で、ごく簡単な操作であれば、サドルに座らずとも近距離であれば遠隔操作が可能であり、「起動・搭乗」のプロセスにおいて、操縦者の思考とエグゾフレーム間になんらかの「紐付け」が行われているとみられる。このエグゾフレームの遠隔操縦は、最大でどの程度の距離から、どの程度精密な動作が可能か、現在、調査中である。
注1:なお、エグゾフレームの意識制御の詳細については現時点では判明していない。仮に「意識制御」と呼称しているが、その「意識」が何であるかすら分からない。しかしながら、その原理を今後の調査で解き明かすことができれば、人類の存在理由に迫るかもしれないほどの計り知れない可能性がある。
注2:一部SNS等で、エグゾフレームの操縦により精神障害を負ったとする事例が報告されており、現在も調査中である。ただし当委員会の調査においてはそうした事例は一切確認されておらず、虚偽のものである可能性が極めて高い。
注3:一方、通信機材や本体や周囲の情報を感知する各種センサー、計器等は一切搭載されていないため、何らかの用途で操縦する場合は、目的に応じてそれらを後付けする必要がある。報告では多くの操縦者が、エグゾフレームを操縦しながら、手元のタブレットデバイスを操作するといった動作も可能としている。
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エグゾフレームの動作性

四肢の比率等において、若干人体との差異はみられるものの、人間に可能な動作はほぼ再現可能である。特にマニュピレーターの精度は非常に高く、サイズの違いこそあれ、人間の手と同等の精密な操作を行うことができる。人間が「道具を使う動物」であるように、エグゾフレームとは「道具を使う道具」になる可能性を秘めている。
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エグゾフレームの必要訓練期間

意識制御により、はじめてエグゾフレームに触れた人間でも、基本的な動作を習熟するだけなら数時間から遅くとも数日で可能であり、既存の乗用車や重機に比して極めて容易である。一次産業、二次産業の様々な分野、さらにくわえて障害者医療等への応用も期待される。
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エグゾフレームの機体構造

エグゾフレームは、金属様の外殻(外骨格)の内部を、蛍光ブルーの機体内液が血液のように満たしている。通常の機械に見られるような発動機や蓄電池、制御装置や駆動装置といった個別の装置は存在しない。詳細は不明であるが、機体内に充填されたこの液体が失われるに従い、エグゾフレームのあらゆる性能が低下し、80%程度が失われると完全に動作不能となることから、おそらくこの液体がエグゾフレームの制御装置であり、駆動装置であり、蓄電池であり、その他、機体の動作に必要なすべての役割を兼任していると推測される。
こうした構造から、エグゾフレームは単なる機械ではなく、異星由来の何らかの生物が素体となっていると主張するものも多い。
注1:内液が機体外に流出すると、一瞬発光した後、透明化する。流出した液体の人体や環境に対する影響は現在まで確認されていないが、当委員会では、厳重な管理のもとで分析を行っている。
注2:エグゾフレームを構成する部品のうち、サドルと脚部の車輪は、ペドラーがこれを人類に供給するにあたり、元の機体に改めて追加した可能性が非常に高い。よってエグゾフレームの形状をもとに、ペドラーの生態等を推測することには注意が必要である。
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エグゾフレームの整備性、信頼性

信頼性は極めて高く、適切な操作を行う限り、誤動作や故障はほぼ発生しなかった。現在も調査中だが、苛酷な環境で長期間メンテナンスを必要としない設計がなされている可能性は充分にある。
一方で、関節部の洗浄や外殻の補修以上の整備・修理の方法は見つかっていない。また機体の中枢と思われる機体内液を再充填する方法も見つかっておらず、またエグゾフレーム内部で再精製されることもない。そのため、大きな損傷、故障が発生した場合は、廃棄か交換しかない。ただし、機体の各パーツは高度にモジュール化されているので、部品の取り外しや機体自体の分解、新たな部品との交換は極めて容易に行うことができる。
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耐弾性
Ballistic Resistance

陸軍がアバディーン性能試験場で行った実験によれば、外殻は9mmパラベラム弾等の拳銃弾なら弾くことができる(いずれも垂直で厚み20mmの部分)。5.56mm×45mmNATO弾等のアサルトライフル弾の場合、外殻は損傷するが貫通はしない(腕などのジョイント部分を除く)。12.7mm×99mmNATO弾等の重機関銃弾になると、外殻は貫通され、機体内液の流出が起こる。現在、紛争地域で多数、用いられているRPG-7等の対戦車ロケット弾が直撃すれば機体自体が四散してしまう。迫撃砲弾等が至近に着弾した場合、機体は無事でもサドル部分がむき出しであるため操縦者が死亡ないし重傷を負う可能性は高い。
陸軍の報告では、「機能や構造は驚異的ながら、防御力や機動力から見て現用兵器の脅威とは考えにくく、軍事用途での使用は限定的」とあり、兵士防護装備の一つとしての可能性が言及されている程度である。

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落下耐性
Fall Resistance

18メートル(ビルの6階程度)までなら、適切な姿勢を取れば、機体・操縦者ともに損傷は発生しない。試験中、約25メートル(ビルの10階)の高さから調査員が機体ごと落下する事故が発生、機体は損傷し、搭乗者も骨折、失神したものの命に別状はなかった。

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走行力
Mobility

人型による脚を用いた走行の場合、熟練者で100メートル10秒ほど。搭乗者が操縦に熟達し、また最適なフォームが発見されれば、100メートル8秒台も可能と思われる。長距離移動する場合は、脚部の車輪を用いて走行を行う。この場合、通常の乗用車(アメリカ車のカタログスペックと比較)と同等の速度で走行可能。
注:1-2人乗りの軽乗用車として、特に省エネ対策の遅れた発展途上国に導入されることで、地球温暖化問題解決の糸口となる可能性が指摘されている。

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跳躍力
Jump Capacity

6メートル(ビルの2階程度)までは容易。操縦者によっては9メートル(ビルの3階程度)に達した者も存在する。

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耐熱・耐寒・耐圧性
Heat, Cold, and Pressure Resistance

摂氏60度から-20度、及び水深20メートルの環境でも、性能の低下や故障は確認されていない。操縦者である人間が活動可能なすべての領域でエグゾフレームを使用できる可能性が高い。極限環境における救難・救命等の用途においても活用が期待される。

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耐荷性
Load Bearing Capacity

搭載重量物が1tまでなら、搭載量に応じた速度の低下は見られるものの、歩行、走行に重大な支障はない。最大で2t程度の重量物を10秒程度、保持することが可能。それ以上だと、高確率で機体の四肢に損傷が発生する。

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エグゾフレームのその他性能

※以下は操縦者によって違いも大きく、
あくまで現時点で確認できている数値である。

2014年、突如現れた異星人は、
人類に対して「交易」を要求。
彼らが石灰岩の対価として地球にもたらしたのは、
意識制御型汎用ロボット
「エグゾフレーム」だった。
戦闘機よりも戦車よりも銃よりも安価で、
誰でも簡単に乗りこなすことができる
「エグゾフレーム」は、
またたくまに拡散し、世界を変えていく――。

「現在、すべての電波帯域に、
五種類の言語で呼びかけています。
我々は政治干渉も文化交流も望みません。
ただ通商のみを希望します。
石灰岩1,000キログラムにつき 一つ、
我々のテクノロジーの産物を提供します。
国家、民族、思想、その他あらゆる差違について
我々は区別いたしません。
すべての地球人類に、平等に、均等に、
この交換条件を提案いたします」

TRAILER

STAFF

原案・シリーズ構成

虚淵玄

Gen Urobuchi

(ニトロプラス)

ニトロプラスに所属する小説家・脚本家。
代表作に『魔法少女まどか☆マギカ』『Fate/Zero』
『翠星のガルガンティア』
『楽園追放 -Expelled from Paradise-』『PSYCHO-PASS サイコパス』
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』
などヒット作多数。

監督

山田裕城

Hiroki Yamada

CGデザイナーとして、スタジオジブリ、
サンライズエモーションスタジオを経て、
2014年より武右ェ門に所属。
あにめたまご2016出品作品『風の又三郎』で
監督デビュー。

監督

白土晴一

Seiichi Shirato

アニメ、ゲーム、マンガ、小説の
設定考証を多数手掛ける。
代表作はアニメ『ヨルムンガンド』『ジョーカー・ゲーム』
『ドリフターズ』『プリンセス・プリンシパル』、
コミック『軍靴のバルツァー』
『貧民、聖櫃、大富豪』など。

アニメーション制作

武右ェ門

BUEMON

2014年 、『スチームボーイ』『FREEDOM』
『SHORT PEACE』をてがけた
サンライズ練馬スタジオのCGスタッフと共に設立。
CGをメインツールにしたアニメ・映像制作会社。
あにめたまご2016出品作品『風の又三郎』では、
2017キネコ国際映画祭日本作品短編部門
グランプリ
その他複数の映画祭に参加。
本作が初のシリーズ作品となる。

CHRONOLOGY

  • 2014

    宇宙人「ペドラ―」出現。
    石灰岩1,000kgと引き換えにエグゾフレームの提供を開始。
    アメリカ・EU・日本・中国などを中心とした地球外交易規制協約「ザンクトガレン協定」を締結

  • 2015

    「第3次カビンダ紛争」アメリカ軍、アフリカで初のエグゾフレームとの戦闘。

EXOFRAME

エグゾフレーム/その性能と運用、及びその可能性

・以下は、2014年に、異星人ペドラーの来訪と「交易によるテクノロジーの提供」を受け、緊急に設置されたアメリカ合衆国大統領行政府(EOP)の諮問機関・異星由来技術調査委員会が、同年に、公開した資料の概要部分を一部抜粋したものである。
・異星人がもたらした汎用人型機械に関するアメリカ政府の公式な報告書としては最も初期のもので、ここで提唱されたエグゾフレーム/EXOFRAME(Enhanced Xenobiological Organic FRAME/強化型異星生物有機体構造体の略称)という名称は、その後、全世界に普及した。
・報告書の各所にはやや誇大とも言える表現があり、異星人由来の技術への驚きと期待が見て取れる。しかし、異星由来技術調査委員会は、その後、ザンクト・ガレン協定の締結などに伴う政府のエグゾフレームへの姿勢の変化を受けて解散。後に大統領令によって国土安全保障省に設置された地球外交易規制局が、これを規制・監視・管理する立場となった。
「大統領異星由来技術調査報告書」より抜粋
異星由来技術調委員長 ジョージ・M・キャンベル


異星人から提供された意識制御型汎用人型機械を、我々は強化型異星生物有機体構造体(Enhanced Xenobiological OrganicFRAME)、すなわちエグゾフレーム(EXOFRAME)と名付けた。

直立時頭長高:255cm
重量:269kg

  • 入手方法
  • 動力
  • 起動
  • 操作
  • 動作性
  • 必要訓練期間
  • 機体構造
  • 整備性・信頼性
OBSOLETE

ON AIR Dec. 2019

2019年12月配信開始

YouTube Originals
©PROJECT OBSOLETE